空のアメ玉
南アルプスを背景に聳える山の頂上にやって来た。
小さな私を包んでくれた大きな冬銀河。
銀河と地球の間にいる気持ちをもっと知りたくて
都会にはない暗黒のなかで輝く空と
私のまぁるいお腹を平行にさせた。
小さな星のツブツブは
アメ玉のように輝いて
空の口のなかいっぱいに広がっていた。
海蛇
小熊
オリオン
火星
土星の輪っか
アメ玉を舐める私は
空のアメ玉すらも舐める
ちょっとだけ得意な気持ちになった
いや、そうじゃない。
火星も土星も空のアメ玉、
地球も同じ空のアメ玉。
そうか、私はアメ玉のなかにいるんだ。