親子星

星が爆発した
その星は氷だらけで生物がいなかった
恒星の光もほとんど届かない程に寒く、暗かった


やがて屑片とガスが混じり合い
新たな星が生まれて、煌きはじめた
恒星の光を浴びる新たな星には
大気ができ、水ができ、生物ができた
生物は知恵をつけ、その数を無限に増やした


月日が経ちあたたかな魂が彷徨うこの星で
ひとりの少年がつめたい岩の上で悩んでいる
お尻がじわっと濡れているように感じるほど冷たい岩の上で
嫉妬深い親に捨てられたのだ

ビオラが咲いている
青々と生き生きと、根をしっかり地面に巻き付けて
この賢い少年は気づいた
血縁は自分とは無意味なものだと
そして少年もまた根をしっかり地面に巻き付けている





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